コミュニティワークを考える

今回は、こミュニティワークについて検討してみたいと思います。

 基本的に、コミュニティワークという技術は、元来、コミュニティ・オーガニゼーションやコミュニティ・デベロッブメントという用語から派生した概念です。我が国はこの用語を矮小化して社会福祉の専門用語と勘違いをしてきたようです。それは、社会福祉の専門用語だけではないのです。たとえば、医療の領域の保健婦(師)もコミュニティワーカーです。社会教育でも公民館主事・社会教育主事は当然コミュニティワーカーです。

 英国では、コミュニティワーカー協会(現在は、コミュニティ。デベロップメントワーカー協会という)という全国組織があります。地域担当の公務員から、街づくり関係者まで、参加していて、社会福祉の関係者は多くはありません。英国の著名なヤングハズバンド女史は、コミュニティワークはもともと社会福祉の概念に封じ込めてはならないとしています。米国では、コミュニティビルディング概念として総合的な街づくりの技術であって、コミュニティワーカーが活動しています。

 コミュニティワークは、包括的な街づくりの技術であり、都会の都市問題から、中山間地域の高齢過疎問題まで、包括的な人材養成から、街づくりのハード、そしてソフトまでを含むべきです。さらに、注意すべきことに、コミュニティワーク概念は、ソーシャルアクション(変革とイノベーション)を根底として主として英国で概念化されてきました。このソーシャルアクション概念に留意すべきです。イノベーションのない活動や事業などこれからの時代には必要がなくなります。学問・研究も、このイノベーションがなければ存在しえなくなりつつあると考えています。