地域福祉

 言葉としての地域福祉という用語は、響きが良いかもしれない。

 公的責任が明確で、公共のシステムが効率的で、市民意識が醸成されている・・・ボランティア活動も豊かにある。さらに、寄付文化も豊かに持っている・・・そのような社会であれば・・・地域福祉という期待も高まると思う。

 しかし、公的責任は、1000兆円を超える国などの負債と、その額が増え続けている現状がある。また、地方自治の仕組みと実態にも問題がある。社会福祉の実施主体である『社会福祉法人』という組織にも問題がある。内部留保金(推定でも数兆円)や同族経営の問題と、低賃金過重労働環境など枚挙にいとまがない。しかも、住民意識は、行政依存という実態。ボランティア活動も低迷していて、寄付額も少ないという現状は、地域福祉を機能させる仕組みや意識が未成熟であると断じたい。

 日本社会のセーフティネットが底抜けしていて、社会保障改革が求められている。この改革なくして地域福祉など夢物語だといえよう。

 そのためには、社会福祉法人という法人の在り方を問うていくこと、個別福祉法を社会サービス法へ収斂させること。地方自治のシステムをかえること。『大きな鉈』で今日の社会福祉システムを改革する必要がある。

 そのうえでの地域福祉ということだと思う。ただし、諸外国では地域福祉にあたる用語はみあたらない。あえていえば、コミュニティケアという用語である。